結婚七年目の私は、きっと普通の人妻として日々を過ごしていたのだと思う。夫とは仲が悪いわけではない。ただ、仕事に追われて帰りは遅く、休日は疲れを理由に家で寝てばかり。女として求められる瞬間は少なく、私はいつしか「妻」という仮面だけをまとって暮らしていた。
だからといって、浮気や不倫を望んでいたわけじゃない。本当に違う。……違うはずだった。だが実際には、ひとつの“小さな失敗”から、私は抗えない快楽の渦へ堕ちてしまった。
彼と知り合ったのは仕事の関係。取引先の営業マンで、年齢も近く、よく顔を合わせるたびに言葉を交わす存在だった。優しく、けれど少し強引な目の光をいつも感じていた。心の奥でそれを意識していたのかもしれない。
ある日、契約上の不備で印鑑が必要になり、私は休日の夜に彼へ連絡をした。夫は出張で留守。やましい気持ちはなく、「助けてもらう」ただそれだけのつもりだった。だが彼は、「じゃあ今からでも届けますよ」と気軽に答えた。
――それがすべての始まりだった。
夜9時、落ち着かない気持ちで彼を迎えた。スーツ姿の彼を前にすると、不思議なくらい胸がざわつく。書類のやり取りを済ませただけのはずなのに、沈黙が重く、気づけば互いに視線を逸らせなくなっていた。
「少し座ってもいいですか」
そう言った彼に頷き、私は自分で仕掛けてしまったのだ。ベッドしかない部屋で距離が近づくのは必然だった。
唇が触れた瞬間、罪悪感で全身が震えた。けれど同時に、長い間忘れていた女の疼きを抑えることなどできなかった。舌を絡められ、ブラウスのボタンを外されると、身体は夫ではない男に従順に開いていく。
「いけない、やめなきゃ……」そう思うのに、パンスト越しの太腿を撫でられた時、私は目を閉じて身を委ねていた。
その後は早かった。胸元に吸いつかれ、乳首を舌で転がされる。思わず「やだ…そんなの…」と拒む声を出したのに、背筋は痺れるほど甘く震えた。人妻としてのプライドが粉々に砕かれる瞬間だった。
彼の舌はさらに下へ。下着越しに秘部を舐め上げられ、「あ…だめ…夫に悪い…」と心で叫びながらも、腰を浮かせてしまう。パンティをずらされ、ぬるぬるに濡れた花びらが彼の舌に吸われると、喉まで切ないうめきが漏れた。
「……ぁあっ、そこ…っ」
初めて触れられる男に感じ過ぎている自分。何度も絶頂に追い込まれ、「不倫」という言葉が頭をよぎるたび、さらに背徳感で濡れが増していった。
そして、彼は囁いた。
「口でしてあげるよ」
膝を折り、私の前で固くそびえる肉棒を露わにする。人妻の私が、夫以外の男にフェラをする――想像しただけで心臓が爆発しそうなのに、視線を外せない。仕方なく舌を伸ばし、先端をぺろりと舐めた瞬間、彼が喉奥から熱い吐息を洩らした。
「そう…もっと」
その声に導かれるように、唇をすぼめ、竿全体を飲み込んでいく。オエッと喉が鳴るたびに涙目になりながら、それでも「失敗だから仕方ない、もう後戻りできない」と自分に言い訳を重ねて口を動かした。唾液と精液の匂いが混じり、人妻としての矜持は完全に崩壊していく。
やがて彼の腰の動きが速まり、喉奥に突き上げられて「んぐぅっ…!」と嗚咽を漏らす。涙が頬を伝い、鼻から荒い息が洩れる。私はただ、彼の欲望を飲み込む存在に堕ちていた。
「出る…喉奥にいっぱい出してやる」
そう言われた瞬間、理性の最後の糸が切れた。夫以外の精子を飲み干すなんて、絶対に許されない裏切り。それでも私は必死に喉を開き、溶岩のような熱い精液をすべて受け止めていた。
「……ごくっ、ごくっ」――全部飲み干した喉の熱と、涙でぐちゃぐちゃの顔。それでも舌で竿を舐め取りながら「……クセになりそう」と言葉が漏れた自分に、本当に驚いた。
その後は理性などもう存在しなかった。ベッドに押し倒され、濡れ切った秘部へ肉棒を挿入される。背徳の快楽に腰を震わせながら、夫ではない男に抱かれる現実が、罪悪感と背徳感をより強く塗り重ねる。
「…中に欲しい?」
その囁きに、声では否定したのに身体は頷いていた。次の瞬間、熱い結末が奥へ溢れ、私は絶頂と同時に「もう戻れない」と悟ったのだ。
終わった後、静かな部屋で私は何度も「失敗、失敗だから」と呟いた。だが内心では、再び彼の舌と肉棒を求めている自分に、背筋が震えた。