俺は若い頃から女に困ったことがなかった。柔道で鍛えた体格と声の大きさ、そして酒の強さ。それだけで十分、女は俺を男らしいと思い込んで勝手に寄ってきた。職場でもその傾向は顕著で、気の弱い部下やおしゃべり好きの女どもは、俺の乱暴な冗談で怯えたり笑ったりする。だが、そんな表の顔以上に、裏で何人かの女を押し倒してきたことは、噂としてかすかに流れていたはずだ。俺にとってはそれがステータスにもなっていた。
だから、部下のあの若い妻を見たとき、最初から“狙う”と心に決めていた。結婚2年目の人妻。まだ初々しく、だが艶を含んだ色気を漂わせていた。会社に顔を出すたび、白い肌に大きな瞳を輝かせて「お世話になっております」と深々と頭を下げる姿。まるで俺に忠誠を誓う牝のようでたまらなかった。
俺はその場で「美人だな」とあえて口にしていた。褒めれば嬉しそうに笑う。夫である部下が、得意げにその顔を俺に見せてくるのも滑稽だった。心の中では「お前の女はもう俺の目に入っている」と嗤っていたのだが。
酒の席を設け、あえて「奥さんに会いたいんだ」と言ったのも計画のうちだ。奴は断れない。上司にそう言われれば、冗談半分でもそうするしかない。俺が一歩踏み出せば、後は勝手に道が開ける。
玄関のドアが開いた瞬間、俺は勝機を確信した。若い妻は、普段の家庭的な姿ではなく、明らかに客を意識した装い――髪を垂らし、胸元の開いた白ニットにフレアのミニスカート。それは“迎え入れる女の衣装”に他ならなかった。 彼女自身は無意識かもしれないが、俺は女のそうした“迎合のサイン”を嗅ぎ取る嗅覚を持っている。
すぐに俺は目の前で酒盛りを始め、彼女を俺の隣へと呼び寄せた。部下も最初は気を張っていたろう。だが、すぐに俺のペース。膝の上に座らせてみれば、驚きながらもほんの数秒でその柔らかな尻の感触がじんわり俺の腿に伝わってくる。拒絶の言葉とは裏腹に、身体ごと預けざるを得ない状況に追い込まれる女を見るのは最高の瞬間だ。
「困ります」と小声でささやいた唇。震えていながらも、声はどこか艶を帯びている。そう、俺の手が胸を揉みしだいたときには、抵抗が悲鳴ではなく吐息へと変わっていた。これで十分。女は口先では反発していても、乳首が硬くなればそれがすべての答えだ。
部下が潰れて眠ったふりをしているのも見えた。俺には分かる。あいつは俺に“見せられている”。本当に嫌なら出て行くはずだ。だが、腰を下ろして視線を泳がせている。つまり、俺に妻を奪われたいのだ。そんな男の心情も俺にとってはただのスパイス。女を奪う悦びをさらに濃くする燃料にしかならない。
ニットをめくり上げれば、弾力ある胸が白々とあらわになる。汗の混じった甘い匂いが鼻を突く。指で弄るたび、彼女の体は反射のように跳ね上がり、声を殺しながらも潤んだ目で俺を見上げてくる。その顔がたまらなく愛おしい。俺に従うしかない牝の顔だ。
やがてパンティ越しに硬く隆起したクリトリスを見つけたとき、俺は声にならない笑いを堪えきれなかった。女は口で拒んでも、身体は正直に欲を晒す。白いクロッチが黄ばみで濡れているのを見つけた時、征服感は一気に頂点へと達した。
「綺麗だな」「たまらないよ」そう囁きながら肉棒を押し当てると、彼女は目を見開き、しかし逃げ場のない膝の上で喘いだ。俺のモノは部下の貧弱なモノなど比較にもならないサイズだっただろう。最初の突き入れで彼女の膣奥が熱く強く締まり、声が呑み込まれる様を見て、“もう俺の女になった”と確信した。
バックで突いている時、夫が目を細めてこちらを凝視しているのに気づいた。俺は笑った。自分の妻が俺の腰に打ち付けられ、尻肉を弾ませながら絶頂し、最後には中に精を叩き込まれる――その光景を至近距離で見せつけられているのだ。妻の喘ぎはソファや床に反響し、背徳の旋律のように響き渡った。
それから何度も同じことを繰り返した。夜な夜な部下を酔い潰し、妻を抱いた。最初は口を固く結んでいた彼女も、やがて自ら舌を絡め、腰を振りつけてくるまでに変貌していった。その変化を眺めるのが、どんな酒よりも酔わせる。
――夫には秘密に、だが確実に俺を選んでしまう人妻。
これほど愉しい寝取りはない。
今では、彼女が俺を求めるときの視線に、言いようのない昂ぶりを覚える。俺は上司であり、夫の目の前で妻を奪った男であり、そして今や彼女の本物の恋人だ。部下は気づいていないふりをするしかない。いや、本当は分かっていながら受け入れているのだろう。自分には抱ききれない女を、俺という男が犯し尽くす姿に、救いのような快楽を見出しているのかもしれない。
だからこそ、この関係は終わらない。俺が飽きない限り、彼女は俺のものだ。そして夫は、それを傍から見続ける。――この背徳の構図こそが、俺の人生最高の娯楽になったのだ。