私はアラフォーの既婚女性。今でも自分を「人妻」と呼ばれることに少し背徳感を覚えるけれど、あの夜の出来事を思い出すたびに、理性よりも身体が疼いてしまうのだから仕方がない。
きっかけは息子の同級生たちが我が家で開いた学祭の打ち上げ。彼らが客間で酒を飲んで騒ぎ、次々に潰れていく中、ただ一人、縁側で缶ビールを片手に座っていたのが、息子の友人であるNくんだった。
夜風に吹かれながら、どこか孤独な背中。その姿に私は少し惹かれた。
「どうしたの?ひとりで」そう声をかけると、彼は苦笑して「賑やかなのはちょっと苦手で」なんて答えた。中学時代に職員室に出入りしていた彼のことを覚えていたからこそ、懐かしさと同時に、妙に大人びた横顔に女としての好奇心を刺激されてしまった。
ビールを分け合いながら並んで座ると、ほんの一瞬、手と手が触れた。酔いのせいだろうか、彼の視線が妙に熱くて、私はたまらず試すように唇を近づけていた。一瞬のキス。普通なら笑って流すはずだったのに、彼は逃さず私の手を掴み、もう一度、深く口づけてきた。
その瞬間、私は理解した。――この子はまだ未経験なんだ。
舌を絡めるぎこちなさ。胸に伸びる手の震え方。女ならすぐにわかる。そう思うと母性なのか、それとも背徳の欲望なのか「抱いてあげたい」という感情が込み上げてきた。
その後、皆が眠りについた真夜中。廊下でばったり再会した私たちは、言葉少なに寝室へ入った。ベッドサイドのランプだけが淡い光を落としていて、どうしようもなく淫らな雰囲気に包まれていた。
「Nくん、困るわよ…こんなの」そう口では言うものの、心は止められなかった。
彼が唇を押し当てると、私は受け入れてしまった。胸を揉まれ、乳首を摘ままれると、こんな年下に触られているのに体が熱くなっていく。何年も夫から触れられていなかった乾いた肉体は、あっけなく溶かされていった。
下着を脱がされ、開いた脚の間に顔を埋められたとき、私は小さく悲鳴を上げてしまった。ぎこちない舌遣いなのに、長年触れられていない部分を舐められるだけで、恥ずかしさと快感が入り混じって頭が真っ白になる。
「だめ…そんなとこ、舐めちゃ…」と必死に抵抗する声とは裏腹に、蜜は止めどなく溢れ、太腿まで濡らしていた。
そして、彼がついに自分の硬く張り詰めたものを握らせてきた瞬間、私は母のように優しく笑ってしまった。
「初めてなのね…大丈夫よ、私がちゃんと教えてあげる」
そう囁くと、彼は震える腰を押し出してきた。生で触れ合う粘膜の感触は、理性を吹き飛ばすほど官能的だった。じわじわと内側を押し広げられ、処女だった頃にはなかった痛みを思い出す。それが、かつての記憶と重なって、私は涙が滲むくらい絶頂に近づいてしまった。
「気持ちいい?もっとゆっくりでいいのよ」
私は彼の髪を撫でながら囁いた。まるで母親のように導きながらも、女としては淫らに腰を受け入れていた。
彼は必死だった。ぎこちない挿入と抜き差し。それでも若さゆえの執着と熱量は凄まじく、私の奥に触れるたびに膣はびくんと震えた。
気付けば彼の精が熱く注ぎ込まれて、私は背中を爪で引っかきながら、何度も絶頂を迎えていた。
「中は…ダメって言ったのに」
そう呟いたものの、もう後悔など残らなかった。濡れた秘部を伝う精液を指ですくって見せると、彼は赤くなって謝り続けた。それが愛おしくてたまらなく、私は抱きしめて「上手だったよ」と耳元で囁いた。
その言葉に安心したのか、彼は再び私を押し倒してきた。もう止まらなかった。
二度目の挿入は最初よりも深く滑り込み、私は理性を完全に失って、彼に腰を絡めていた。
「もっと腰を使って…そう、上手よ…」
そう教えながら、私は自らも快楽に喘ぎ続けていた。
夜が明ける頃、台所で誰にも見られないようにもう一度キスを交わした。
「これっきりじゃないよね?」と彼が不安そうに聞いたとき、私は女の顔で微笑むしかなかった。
――あの夜、私は妻でありながら、母でありながら、ひとりの女として年下の童貞を抱いた。罪悪感と快楽が入り混じる甘美な体験。それは私の中で、今も鮮明に刻まれている。