あゆちゃんとの関係は、あの日を境に止まらなくなっていった。
最初は友人が寝静まった後の、ソファの陰や廊下の片隅で交わす背徳の快楽。それが回数を重ねるうちに、昼間の買い物帰りの非常階段、万が一にも人が来そうな駐車場の車内、そしてついには彼女の寝室と、場所も時間も選ばなくなっていった。
――「ねえ、今日はどこでする?」
そう小さく笑いながら囁くあゆちゃんの声音には、もう恥じらいなど感じられなかった。
ある夜、友人が風呂に入っている隙に、彼女が俺を手招きした。リビングの灯りが手前に落ちる中、奥の寝室から漏れるランプのぼんやりとした明かりに照らされた彼女の姿は、普段の人妻の顔ではなく、完全に淫らな女の表情に変わっていた。
ワンピースの裾をたくし上げ、「早く」と視線で催促する。俺は心臓が張り裂けそうなくらいに高鳴りながら、ズボンを下ろした。
スカートを腰の上までめくり、パンティを片足に引っ掛けたままにすると、薄い生地が緊張と興奮で湿りきっているのがわかる。指先で軽く撫でるだけで、ぬるりとした液体が絡みつく。
「ぁ…ん…待てない」
そう言うやいなや、彼女は自ら腰を押しつけてきた。俺の先端が充血したそこに当たると、じゅくっと濡れた音が静かな寝室にいやらしく響き渡る。
ズブッ――と押し込んだ瞬間、彼女の瞳が潤み、口元から抑えきれない吐息が漏れる。
「んっ…んぁ…っ…きつい…奥まで…」
太い茎が腹の奥を突き上げるたびに、肌と肌がぶつかるパチンという湿った音が重なる。ランプの薄明かりの中で汗ばむ彼女の首筋が光り、乱れた髪が頬に貼りつき、その一挙一動が網膜に焼き付くようだった。
それから数日後、昼間に友人が仕事で出かけると、あゆちゃんは当然のように俺を招き入れた。
カーテンの隙間から昼の光が差し込む寝室で、彼女はベッドの上に四つん這いになり、「もっと突いて」と尻を揺らす。その下から見える薄ピンクに濡れそぼった秘部は、昼の光にいやらしく光っていた。
パンパンとお尻に打ち付ける音が、静かな部屋に反響し、シーツまでぐしょぐしょに濡らしていく。
「いやぁ…だめ…でも…もっと欲しい…」
喘ぎながら必死に声を抑えようと枕に顔をうずめる彼女。だが俺がさらに深く腰を打ちつけると、 muffled なはずの声が布の奥から漏れ出してしまう。
ズチュズチュと膣内で粘液が擦れる水音が広がり、その生々しい響きが自制心を完全に吹き飛ばす。突き上げるたび、窓ガラスに映る自分と彼女の動くシルエットが視界の隅に入り、まるで自分たちを覗いているもう一人の観客がいるかのようで異常に興奮した。
関係はさらにエスカレートした。
スーパー帰りの駐車場、周囲を見渡して人影がないと確認するや否や、彼女は後部座席に俺を押し込んだ。狭い車内に体を重ねると、レザーシートに露骨な水音が響き渡る。
「はぁ…ん…車の中でなんて…やばいね…でも…止められない…」
汗ばんだ肌がきしみ、ガラスが曇っていく。窓に映る自分たちの姿が生々しく、外に誰かが近づいたらすぐに覗かれてしまいそうな緊張感が、逆に快感を倍増させる。
一分もたたないうちに限界を迎えた俺は射精を訴える。
「出して…全部、奥にちょうだい」
彼女が腰を強く押し付け、膣内の奥をぎゅっと締め付けてくる。精液が放たれるたびに、ぴちゃぴちゃと溢れ落ちる音が狭い空間に響き、車内に淫靡な匂いが広がった。
今では、もうどちらから誘うという形すらなくなった。
目が合えば身体が反応し、すぐにどちらかが相手を押し倒してしまう。
ある日は、友人が夕食をとる隣の部屋で、その音を聞きながら彼女を抱いた。壁一枚隔てた向こうから聞こえてくる食器の音と、こちらの部屋に響きわたる水音と押し殺した喘ぎ――そのコントラストが狂気じみていた。
「聞こえちゃうよ…あぁ…でも止まらない…」
ビクビクと震える彼女を抱きしめる中で、「もう、完全に夫より俺の体を求めている」という実感が背中を走り抜ける。
彼女が腰を振るたび、いやらしい音がリズムを刻み、部屋の空気を支配していく。汗で肌が光り輝き、瞳は熱に潤み、唇は半開きに震えている。そのすべてが「人妻」という枠を超え、欲望に支配された女の姿だった。
俺自身も、気づいている。
もう二度と、この泥沼から抜け出せないことを。
「ねぇ、次はもっと危ないことしよ」
あゆちゃんがそう囁いた夜、背筋に電流が走るような衝撃を感じた。背徳と快感、その両方に飲み込まれ、俺たちはさらに深い場所へ堕ちていく。
もう理性は存在しない。あるのは、音と光と匂いに満ちた、淫らで生々しい快楽の現場。
そのすべてに俺は囚われ、逃れられなくなっていた。