あの夜のことを思い出すと、今でもゾクゾクと震えが走ります。夫以外の男性に抱かれるなんて考えたこともなかった私が、あれほど乱れてしまうなんて…。それは、ほんの小さなきっかけで始まった背徳の時間でした。
飲食店を夫と共に切り盛りしていたある日、夫の元部下である彼と久しぶりに再会しました。昔から私のことを「明るくて頼りがいがある」と言って慕ってくれていた彼。店で顔を合わせるたび、無邪気に笑いかけてくるその視線に、女としてどこか誇らしさを感じていました。でもまさか、そこからこんな関係に発展するとは――その頃の私はまだ知りませんでした。
あの晩、夫と私と彼で飲みに行く約束をしていたのですが、夫が急に店を離れられないと言い出し、彼と二人で先に行くことになりました。「二人で飲んできて」と夫に言われた瞬間、心の奥が小さく揺れたのを覚えています。妻でありながら、他の男性と“公認で”二人きりになれる。その状況が、妙に胸をざわつかせたのです。
グラスを重ねるうちに雰囲気が和み、彼が照れたように「昔から一度抱きたいと思っていた」と打ち明けてきました。驚きと同時に、喉の奥がカッと熱くなり、思わず笑ってごまかそうとしました。でも視線は逸らせず、頬が赤らんでいくのを感じます。女として求められることがこんなにも心を震わせるのかと、自分でも戸惑っていました。
「ちょっと…歌いに行きません?」彼に誘われ、勢いでついて行ったのがカラオケボックス。この時点で、理性なんてもう揺らぎ始めていたのかもしれません。密室に二人きり。歌声よりもお互いの鼓動の方が大きく響いていました。
ソファに座った瞬間、彼の手が私の太ももに置かれました。驚いて見上げると、真剣そのものの眼差しで「触ってほしい」と震える声。拒めば楽に戻れるのに、その一言に胸が痛むほど高鳴ってしまい、私は小さくうなずいていました。次の瞬間、彼の硬く勃ちあがったものを握らされ、その熱さに全身が火照ったのを鮮明に覚えています。
「旦那には絶対言わないで」――。そう約束した途端、私はもう妻ではなく、女として彼に堕ちていました。
気づけば彼のものを口に含んでいました。初めて味わう背徳の匂いと熱が、脳を痺れさせ、腰の奥がうずきだします。舌を絡めるたびに彼が喘ぎ声を漏らし、私はますます濡れていく自分を止められなくなっていました。
やがて彼に押し倒され、下着の奥に指を入れられた時、「もう戻れない」と悟りました。次に彼が取り出したゴムを見て、ほんの一瞬だけ〝夫を裏切る〟罪悪感がよぎりましたが、背を向け四つん這いにされた瞬間、その思考は快感にかき消されていきました。
――そして、彼が私を後ろから突き破った瞬間。
腰に伝わる衝撃が全身を貫き、思わず声を上げてしまいました。夫とは違う角度、違う勢い。背筋を掴まれ、押さえつけられると、自分が完全に征服されているのだと実感しました。膣の奥に打ちつけられるたびに甘い悲鳴が漏れ、息が乱れて、視界が霞んでいきます。
「もっと突いて…!」気づけば自分から腰を揺らし、欲しがる言葉を叫んでいました。
彼が容赦なく打ち付けるたび、胸はソファに擦れ、乳首が硬く尖ってさらに熱くなる。背後から響く肉と肉の音、体を支える腕が震え、汗が流れる。恥ずかしいはずなのに、快感がその全てを凌駕していきます。
「だめっ…旦那に悪い…でも…気持ちよすぎ…!」理性と背徳感が交錯する中、波のような絶頂が襲いかかり、腰が砕けそうになりました。彼に背後から深く突き上げられるたび、体は勝手に痙攣し、絶え間なくイキ続ける自分に驚いていました。
「もっと欲しいんだろ?」耳元に囁かれた瞬間、私は完全に堕ちました。背徳も罪悪感も、すべて快楽の中に溶けてしまったのです。腰を抱え込まれ、さらに深く突き上げられ、子宮を押し潰されるような感覚に、何度も絶叫してはベッドに崩れました。
気がつくと、部屋中に私の声が響いていました。あんなに乱れる自分を、夫の前では見せたことがなかった。恥ずかしさよりも、女として解き放たれた歓喜が強く支配していました。
行為が終わった後、汗で乱れた姿を鏡越しに見て、「もう普通の妻には戻れない」と確信しました。肩で息をしながら彼の胸に倒れ込む私を、彼は満足そうに抱き寄せてくれました。その腕の力強さと汗の匂いが、背徳の証として今も消えません。
それから、私たちの関係は続いています。月に一度、夫には内緒で彼と会い、あのバックで乱される。夫に抱かれているときでさえ、頭には彼の荒々しい突き上げが甦り、体が勝手に疼いてしまいます。
人妻として“してはいけないこと”だと分かっている。けれど、あの快楽を体が覚えてしまった今、もう逃れられません。私は妻でありながら、夫の部下に抱かれ、後ろから突かれるたびに女として歓喜している――この矛盾こそが、私の背徳の愉しみなのです。