あの日のこと、まだ鮮明に覚えてる。
出会い系で知り合った人妻のAさん。プロフィールに「Iカップ」って書いてあって、正直、最初はネタ半分だった。巨乳はそこまで興味なかったし、どうせ業者だろって疑ってた。でも、メッセージのやりとりがやけに自然で、話してて楽しくて、気づいたら毎日連絡してた。
ある日の夜、「今から会えない？」ってメッセージが届いた。
心臓が跳ねた。突然すぎて一瞬迷ったけど、返事するより先にスマホを握りしめて着替えてた。
待ち合わせ場所に行くと、暗がりの中から手を振る人が見えた。Aさんだった。落ち着いた雰囲気の中に、女らしい柔らかさが滲み出てた。笑った顔が想像以上に可愛い。
ちょっと緊張して、言葉が出なかった僕に、彼女がふわっと近づいてきて「思ってたより若いね」って言った。
その瞬間、距離感が一気に縮まった気がした。
並んで歩きながら話すうちに、手が自然に触れた。つないでるわけじゃないのに、指先同士が何度もぶつかる。そのたびに互いに笑って、少し照れて。
店を選ぶ流れになったけど、そのままホテル街の方へなんとなく足が向いてた。
Aさんが小さく「…このへん、静かでいいね」って言った。
その声に、もう限界だった。
部屋に入って、エレベーターを降りた瞬間に彼女が腕に絡んできた。
顔を近づけると、甘い匂いが混ざってる。軽くキスしただけで、頭の奥がジーンと痺れた。
お互い笑い合いながら、服の上から抱きしめ合う。Iカップって本当にあるのかよ、って心のどこかで思ってたけど、この柔らかさを感じた瞬間、それが現実なんだってわかった。
ベッドに腰を下ろすと、Aさんが僕の肩に顔を乗せてきた。髪が頬にかかって、息がかすかに当たる。そのまま静かに身体を寄せてきて、唇が触れた。何回も何回も。
「緊張してるでしょ？」と言いながら笑う彼女の声が、やけに優しい。
こっちも自然に笑ってしまって、そのまま押し倒すように抱き寄せてしまった。
厚手の服越しでも伝わる弾力と温もり。手のひらの下で感じる心臓の速さに、自分のテンポもどんどん乱れる。シャツのボタンを一つ外すごとに、Aさんの呼吸が深くなっていくのが分かった。
ブラの上から胸を包んだ瞬間、彼女が小さく息をのんだ。
「…気持ちいい」って呟きが耳元で溶けた。
シャワーを浴びようと立ち上がったAさんの背中が、少し赤く染まってた。
湯気の中で互いにボディソープを塗り合ううちに、もう我慢できなくて、彼女の腰を引き寄せた。
肌が触れ合うたび、滑らかで温かい感触が広がっていく。首筋に唇を当てると、彼女が体を預けてきた。
ベッドに戻ると、彼女の体は完全に僕にとけ込んでいた。
言葉はいらなかった。ただ、目を見ればすべて通じた。
ゆっくり身体を重ねていくたび、Aさんの唇が僕の名前を探すみたいに動く。
胸を指でなぞると、息が詰まるような声が溢れる。その甘い声に完全に飲まれた。
彼女の腰の動きが次第に速くなって、シーツの上でお互いの体温が絡みあっていく。
途中、彼女が背中に腕を回して強く抱きしめてきた。
その力の入り方が、もう言葉よりも正直だった。
「俺のこと、そんなに…？」と聞こうか迷ったけど、声に出すのが野暮に思えた。彼女が体全体で答えをくれていたから。
長い時間をかけて、ようやく動きが止まった。
Aさんは僕の胸に顔を押し付けたまま、静かに息を整えていた。
髪から漂うシャンプーの匂いと、肌の余熱。
その全部が心地よくて、僕も体の力を抜いた。
「こんなに気持ちよかったの、久しぶり」と彼女がつぶやいた。
その声が妙にリアルで、心の奥に刺さった。
たぶん、それが僕にとって一番の快感だったのかもしれない。
帰り際、エレベーターの中で彼女が手を握ってきた。
何も言葉を交わさなかったけど、その指の温もりでまた会える確信があった。
ホテルを出た後もしばらく、手の感触が消えなかった。
あの夜のIカップの感触、
あのときの息づかい、
そして、あの笑顔。
全部、今でも離れない。