ホテルのラウンジで飲んでいた時から、彼女の雰囲気には何か惹かれるものがあった。
黒のセットアップに柔らかな白のブラウス。その奥に隠れている形の確かさを、ふとした動きで感じてしまうたび、理性が薄くなる。
人妻だと知ってはいる。しかし、一度あの夜の車の中で唇を重ねてしまってから、もう後戻りはできなかった。
部屋に入ると、彼女は少し緊張したように笑っていた。
「シャワー、先どうぞ」と言うその声が震えている。浴室へ向かう背中が、どこか寂しげで、誘うようでもあった。
湯の音を聞きながら、テレビをつけると偶然流れていたのはアダルトビデオ。リモコンを持つ手を止めて、そのまま見入ってしまう。
戻ってきた彼女が、バスローブに包まれたまま腰を下ろし、「何見てるの?」と少し照れた笑みを浮かべた。
「いや、勝手についてたから」と苦笑したが、画面の刺激がそのまま彼女に重なって見えた。
ビールを開けて二人で乾杯する。気まずい空気を解そうと笑い合うが、湯上がりの彼女の肌がほんのり赤く光っていて、視線がどうしても逸らせない。
「見ないで…」と呟く声に息を飲む。
「そんなこと言われると、余計に見たくなるよ」
彼女は視線を落とし、指先でグラスの水滴をなぞった。
その仕草のあどけなさに、我慢していたものが一気に崩れた。肩を抱き寄せると、小さく息が漏れる。
唇が触れる瞬間、彼女の身体が震えた。
温かく湿った息が頬をかすめ、舌が触れ合った瞬間、もう理性は完全に消えた。
彼女の背中をなぞりながら、バスローブの紐をほどく。
ゆるく開いた胸元から、白く柔らかな肌がのぞく。押さえきれない興奮で、手が自然と動いていた。
指先で乳首をそっとつまむと、身体を跳ねさせながら「やだ…そんなふうに…」と小さな声を漏らした。
その反応が愛おしくて、唇を胸に落とす。熱くなった肌を舐め、甘く吸うたびに、彼女の声が少しずつ大きくなる。
「だめ、気持ちよすぎて…」
ベッドの上に押し倒すと、もはや抵抗はなかった。バスローブがずり落ち、薄い下着が露わになる。
指先でショーツの縁をなぞると、布地がすでに湿っていた。
「こっち、濡れてるね」
彼女が顔を赤らめ、「そんなこと言わないで」と呟く。
でもその表情がたまらなく艶めいていて、拒まれているはずなのに、誘われているようにも見えた。
ショーツをゆっくり脱がせ、指で中を探るように撫でる。
柔らかな吐息が静かな部屋に響き、腰が自然と持ち上がった。
指先が奥まで触れた瞬間、息が止まるような声が漏れる。
「この間の続き、しようか」
言葉を囁きながら唇を重ねる。
彼女の肌の匂いが甘く、湿った空気の中で、二人の呼吸が絡み合う。
自分の身体を彼女の上に重ねると、細い腕が首に回され、背中を掴んだ。
お互いの体温を確かめ合うように、ゆっくり動き始める。
挿し込んだ瞬間、彼女が小さく「あっ」と声を上げた。
その表情は痛みではなく、歓びに近いものだった。
ゆっくりと腰を押し込むたびに、彼女の指先がシーツを強く握る。
「ゆっくり…お願い…」と震える声が、熱を増していく。
動きを深めると、彼女の身体がしなやかに波打つ。
胸を押し上げるように喘ぎながら、目を閉じて快楽に溺れていく姿が美しすぎた。
肩に額を寄せ、耳たぶに息をかけると、彼女は背筋を反らせて「もう…だめ…」と泣き声のような吐息を漏らす。
押し寄せる衝動を抑えきれず、最後の瞬間まで互いを見つめ合った。
絶頂の余韻が静まった頃、部屋には微かな息遣いだけが残った。
彼女の髪を撫でながら、「抱けてよかった」と口にすると、彼女はぼんやりと微笑んだ。
「気持ちよかった…こんなに感じたの、初めてかも」
その言葉が胸に響き、また理性を奪いそうになる。

