夫が研修で泊まりに行った晩、私はまた山口くんを家に呼んでしまいました。罪悪感はあったはずなのに、それより先に「今夜も抱かれたい」という欲望で胸がいっぱいになっていたんです。
玄関を閉めた瞬間、彼は私を壁に押し付け、唇を貪るように求めてきました。
「裕子さん…もう待てなかった」
耳元でそう囁かれただけで、全身がゾクゾクしてしまう。私も理性なんてすぐになくなり、声を震わせながら答えていました。
「…私だって、ずっとあなたを待ってたの」
ベッドに倒れ込むと、服が次々と剥がされ、乳首を吸われただけで声が漏れる。夫といるときには決して出せなかった声が、簡単に彼の前では溢れてしまうんです。恥ずかしいのに、もう隠す気力もなくて…。
そして、私が自分から腰を下ろし、騎乗位になった時でした。
「裕子さんが上に…っ、やっぱりすごい…」
「違うの…もう、欲しくてたまらないの…んっ…!」
腰を沈めるたび、奥を突かれて、全身に稲妻が走るように快感が広がっていく。角度を変えるたびに彼の先端が新しい場所を突き、私は獣みたいに声を上げてしまいました。
「やだ…っ、こんなの…壊れちゃう…!」
「もっと動いてください…裕子さんの全部、俺に見せて!」
そう言われると余計に火がついて、夢中で腰を振っていました。乳房が揺れるのも、あられもない声をあげているのも、全部“女として見られている”と感じるだけで、背徳より先に甘い快楽に浸されていく。
そして――。
奥を突かれた瞬間、急に下腹部が爆発するみたいに熱くなり、私は悲鳴を上げました。
「あっ、だめっ…なにか…でる、でちゃうっ!」
次の瞬間、シーツに激しく水が飛び散ったんです。自分の身体から信じられないほどの勢いで潮が吹き出して、濡れ広がっていく。
「すごい…裕子さん、潮吹いてる…!」
「違うの…恥ずかしいのに…でも止まらないのっ…あぁぁっ!」
脚が勝手に震え、腰が跳ね、また液体が噴き出していく。羞恥で顔を覆いながらも、身体は快楽に抗えなかったんです。夫の前では絶対に見せられない姿を、部下の前で何度もさらけ出してしまった。
「やめて…もう無理…でも…もっと欲しい…!」
「大丈夫です…俺が全部受け止めますから…もっと壊れてください」
その言葉に理性が完全に溶け、私は何度も何度も絶頂のたびに潮を吹き続けました。シーツも身体もぐしょぐしょに濡らして、涙と涎まで混じったぐちゃぐちゃの顔で、ただ彼に抱きすくめられていたんです。
終わったあと、ぐったりと彼の胸に凭れかかりながら、震える声で告げました。
「こんなふうに抱かれるの、初めてなの…あなたじゃなきゃ、もう満たされない…」
彼は大きく息を整えながらも、私を強く抱き締め返し、小さく囁きました。
「課長には絶対に見せられない顔…俺だけの裕子さんです」
その時、完全に理解しました。私はもう“夫の妻”ではいられない。潮を吹いてまで溺れたあの快感を知ってしまった以上、私は“彼の女”としてしか生きられないのだと――。
