あの夜から数日。
俺の頭から裕子さんの姿が離れなかった。何度も絶頂を繰り返し、ベッドを水浸しにするほど潮を噴き散らす彼女の身体。その余韻は夢にも出てくるほどで、理性を吹き飛ばしているのは俺も同じだった。
――また、あの快楽を与えたい。
彼女のすべてを俺の前で解き放たせたい。
そんな衝動に突き動かされて、俺は勇気を出して連絡を送った。「また会えませんか?」と。既読がついたあと、数分の沈黙。心臓が痛いほど鳴っていた。そして返ってきた短い一文――「夫がまた出張に出るから…あなたに抱かれたい」。
その瞬間、俺の腹の奥が熱く爆ぜるように疼いた。
***
玄関を開けると、薄手のワンピース姿の裕子さんがいた。前回よりもどこか妖艶で、頬がわずかに紅潮して見える。お互い言葉を交わす前に、俺は腕を伸ばし、唇を重ねた。彼女は小さな声で甘く漏らしながら、俺に縋りついた。
「待ってたんです、裕子さん」
囁くと、彼女は小さく頷いて目を逸らした。その仕草がたまらなく愛おしい。
俺はもう、焦ることなくベッドへと引き寄せる。今回は決めていた。挿入よりも先に、彼女の奥底を舌で壊してやる、と。
ワンピースを脱がせ、ランジェリー姿を露わにすると、彼女の太腿がわずかに震えていた。ベッドに押し倒すと、もう甘い香りが鼻を刺激する。ショーツのクロッチ部分はすでに薄く濡れ、俺を誘うように色濃く滲んでいた。
「もうこんなに濡れてるんですね…」
俺が指でなぞると、裕子さんは掠れ声で「恥ずかしい」と言った。だがその表情は快感に抗えない女そのものだった。
ショーツを下ろし、目の前にあらわになった秘部に顔を埋めた瞬間、甘い匂いと共にわずかに熱い蒸気が立ち昇るようだった。柔らかく開いた花弁を舌で割り、奥へとゆっくり侵入させる。
「やっ…そこ、だめ…!」
彼女の腰がびくっと跳ねた。その反応に鼓動が早くなる。
濡れそぼる肉襞を舐め尽くし、俺はクリトリスを唇で軽く包んだ。小さな蕾はすでに敏感に膨らみ、指で転がすと裕子さんは枕を握りしめ、首を左右に振っている。
「クリトリス、すごく感じてる…もっと欲しいですか?」
問いかけると、彼女は声にならない喘ぎで応えた。
舌先でクリトリスの先端を丹念に擦りながら、時に吸いつき、時にチロチロと速く舐め上げる。彼女の脚は勝手に開き、太腿が俺の肩に絡みつく。鼻先に当たる柔らかさ、そして滴る蜜の味に俺自身もますます昂ぶっていく。
「いやっ…だめっ…また…っ」
その言葉と同時に、俺の舌下で彼女の身体がビクンと硬直した。次の瞬間、股間奥から勢いよく温かい液体が飛び出し、顔にかかる。シーツに飛沫が散り、彼女は羞恥で顔を覆いながらも喘いでいる。
「また潮吹きしてる…裕子さん、可愛い」
舌でクリトリスをぐりぐりと押し潰すように攻めると、彼女は息を止めそうな声を上げ、立て続けに波を迎える。潮が何度も噴き出し、シーツはあっという間に濡れ広がっていった。
***
「やめて…もう無理…っ」
そう泣き出しそうに言いながら、彼女の腰はむしろ俺の口をもっと欲しがって押し付けてきた。真っ赤に充血した陰核を軽く歯で甘く噛んでみると――「あっ!!」と甲高く悲鳴を上げ、そのまま堰を切ったように再び大量の潮を吹き出す。
額から顎まで、全て彼女の液体で濡れていく。だがその羞恥の声すら、もう甘く蕩ける快楽に変わっていた。
「もっと…もっと舐めて…」
彼女が震える唇でそう求めてきたとき、俺の中で理性が途切れた。どれだけ潮を吹かせても止まらない、この身体を俺だけが解き放つのだという優越感と欲望が混じり合う。
その後も延々と、俺はクリトリスを中心に責め続けた。舌で小刻みに震わせ、唇で包んで強く吸い、再び舌先でリズムを変えて擦り上げる。そのたびに裕子さんは絶頂に引きずり込まれ、シーツをぐちゃぐちゃに濡らしていった。
やがて、全身が痙攣するように小刻みに震え、涙を流しながら「もう…私、壊れちゃう…」と呟く。
だが次の瞬間にはまた俺の舌に応えるように腰を揺らしてしまう。
女としての羞恥も、人妻としての罪悪感も、すべて俺の舌で塗り潰されていく。その姿を目の前で味わうたび、心の底から湧き上がる独占欲に酔いしれていった。
***
どれほどの時間が過ぎたのか分からない。気づけばシーツも彼女の身体も何度もの潮で濡れ切り、部屋全体が熱気を帯びていた。息も絶え絶えの裕子さんを腕に抱き上げると、彼女はまだ涙に潤んだ瞳で俺を見上げ、小さく囁いた。
「もう…夫には絶対に戻れない…あなたじゃなきゃだめなの」
その言葉は俺の耳の奥に焼き付き、理性も罪悪感もすべて吹き飛ばしてしまった。
俺の中で決意が固まる――彼女を、完全に自分の女にすると。